エゾシカの年齢の見分け方って?

アイヌはエゾシカと非常に密接な関係を保っていました。
 
狩猟漁撈と交易経済の社会を築いた先住民族アイヌは、エゾシカを「ユク」と呼びます。

元は「獲物」という意味の言葉だったそうです。これもまた人びとがエゾシカに依存して暮らしていた傍証だと思われます。鹿追町(アイヌ名=クテクシ。シカ追い柵のあるところ、の意味)、南富良野町の幾寅(ユクトラシペッ。シカがのぼる川、の意味)、門別町の幾千世(ユクチセ。シカの家、の意味)など、シカにまつわるアイヌ語由来の地名がいまも数多く残っています。


それだけ生活に密着したエゾシカですから、呼び名もポイユク(1歳)、リャポイユク(2歳の雌)、リャウ(2歳の雄)、トゥパリャユク(3歳)、ピンネラウ(3歳の雄)、モマンペ(3歳以上の雌)、レパポナプカ(4歳の雄)、アプカ(5歳以上の雄)など細分化されています。
 
 
ではエゾシカの年齢はどうやって判断するのでしょうか?
シカは角でおおよその年齢が分かります。1歳では枝のない1本角で、2歳だと枝が1本、3歳だと枝が2本、4歳以上だと3本の枝がある角になる事が多いので、3本枝の角のシカは4歳以上だとは分かります。それ以降の年齢や角のない雌の年齢は正確には分かりませんのでおおよその大きさなどで判断します。

 
北海道環境科学研究センター発行「北海道の野生動物(4)エゾシカの生態調査」(1998年3月発行)によると、94年95年の検討で雄の平均寿命は2.9~3.1歳、雌の平均寿命は3.6~3.9歳で、狩猟や、餌の欠乏する厳しい越冬生活という過酷な生活環境を表しています。
 
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